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"レコードの魅力って何?" - 当店お客様よりの投稿 -

早いものでCDの登場から26年、LPがメインの音楽ソースでなくなってから20年が過ぎました。その後LDがDVDに、カセットテープはMDに移行して20世紀の終わりに次世代CDと謳われたSACDやDVD-Audioが現れた頃のLPは単なる懐かしのコレクターズアイテムとして或いはブームも下火になりつつあったDJの商売道具としての価値しか見えてこない状況でした。
その中で時代がどう変わろうと、一貫してオリジナルLPだけを聴き続けて来た人達がいます。
21世紀に入るとオリジナルLPを忠実に再現した紙ジャケットに最新録音と遜色ない程に鮮烈な音質を得たリマスターCDが続々登場しました。それ以前の古い音源のCD化では劣化したアナログマスターがそのまま使われ如何にも古めかしいノスタルジックな音楽という感じでしたが最新リマスターによって決して過去のものではない未知の音楽としての捉え方でクラシカルなロックに惹かれる若い音楽ファンが増えてきました。
そして、今、世界の最新のオーディオショウに行けば最新録音の新譜重量盤LPを美しく未来的にデザインされた新鋭ターンテーブルに載せて最新技術で製造された新製品の真空管アンプで聴くというシステムが主流となっています。
面白いことに、こうした最新のアナログプレイバックシステムでオリジナルLPを再生すると、その音の鮮度に驚かされます。
オリジナルLP、特に初版は音が良いと言われます。殊に音の鮮度に関しては録りたての新鮮なマスターから作られたLPに勝るものは無いでしょう。
一方でCD用の最新ディジタルマスター(或いはリマスター)を基に作られた重量盤LPというのもCDはおろかSACDさえ凌駕する高音質音楽ソフトとしての評価が急速に高まっています。オーディオファン向けという特殊な世界ではありますがLPがSACD,DVD-Audioとの争いを制して静かにポストCDの位置を確保しようとしています。
レコードというものは基本的に過去のものにはなりません。録音された時代が過去であっても例えばたった今再生された時点でそれは現在の出来事です。LPを再生する人がいなくならない限りLPは過去だけのものではなく現在、そして未来へと繋がるものなのです。
20年前のCDを聴こうと思って久々に取り出したらポリカーボネートが失透白濁してうまく再生出来なかった、音質が劣化していた…CDの記録層は永遠でも保護層の寿命は短かった…。
LPは記録層剥き出しで保護は人の手に委ねられています。愛情のある取り扱いを経てきたなら50年前のオリジナルLPでもレコーディング当時のアーティストの息遣いまで鮮明に蘇ります。
LPを聴くというのは過去の青春の思い出に浸ることでもないしノスタルジックな郷愁から連想されるようなLPが殊更CDより温もりのある牧歌的な音であるというのも普段LPを聴かない人が描く想像上の産物に過ぎません。LPには冷徹に空間を切り裂き重厚な翳りを帯びた厳格で高密度な音が詰まっています。むしろ明るくスッキリした傾向のあるCDの音は聴く人に向こうから寄り添ってくる親しみやすい音であり、LPは聴く者ときっちり向き合って妥協しない部分があり人を音楽へと向かって引き込む魔力があるように思います。
私達はしっかりその魔力に取り憑かれてしまったのですね。

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2008年01月30日 18:00に投稿されたエントリーのページです。

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